出石そばの製法

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出石そばの製法

伝統のさんたて

挽きたて・打ちたて・茹でたて

挽きたて

そば打ち3

挽きたてとは、そばの実、玄そばを製粉したばかりのそば粉を使用するという意味です。

ソバ(実)もそば粉も劣化しやすいため、保存には注意が必要です。

特にそば粉の場合は保存温度の影響が大きいため、5度以下かつ結露を防いでの保存が適切です。

特に保存温度が高い場合(20度くらい)、リパーゼ(トリアシルグリセロールリパーゼ)による脂質の加水分解が進み酸価が高まる(遊離脂肪酸)ことで劣化が進みます。

同じく、20度くらいで保存すると蕎麦の色(緑系統色)の退色も進みやすくなります。

蕎麦の食感に影響を与える最高粘度とブレークダウン値についても長期保存で低下する一方、収穫後の調整水分が低い場合も低下する傾向があります。

ブレークダウン:蕎麦を茹でる際には、温度上昇に伴ってデンプン粒が膨張し、ピークを超えた後にデンプン粒の崩壊が起こります。

この温度上昇に伴って粘度が増加し、ピーク時に最高粘度となった後、デンプン粒の崩壊とともに粘度が低下していきます(その後、再度粘度が上昇する性質を持つ小麦もあります)。

ブレークダウンとは最高粘度とデンプン粒崩壊後の低下した粘度との差を意味し、これが大きいほどそばの”コシ”や”もちもち感”が得られます。

少し話が脱線しましたが、ソバというよりもそば粉は劣化しやすいため、挽きたてのそば粉を使うべきだというのが『さんたて』の”挽きたて”が重要視される意味です。

打ちたて

出石そば打ちたて

前述の通り、そば粉は劣化しやすいのですが、そばを打つ際に小麦粉や水分と練り合わされることで、さらに変化しやすくなってしまいます。

特にそば粉に含まれるα-アミラーゼが小麦粉に含まれるアミロペクチンを分解してしまい、最高粘度とブレークダウンの低下を招き、完成したそばの”コシ”や”もちもち感”が低下してしまいます。

もっとも、アミラーゼなどの酵素の働きは温度管理により抑制できますので、低温下で寝かせるそば屋さんも結構いらっしゃいます

茹でたて

出石では、方言もあって「湯掻きたて」とも言います。

茹でてから時間のたったそばは、水分を吸って伸びてしまったり、粘度が低下してコシが無くなってしまったり、乾燥して…

茹でた麺は素早く食べるべし、と言うのは皆さんにも共感して頂けると思います。

おまけ:タピオカそば

上記のようなそばの特性について勉強していた際に、「タピオカ使ってそばを打てば、粘度が高くて素早く茹で上がるそばができるんじゃないの?」ということで、タピオカそばの開発に取り組んだことがあります。

タピオカは小麦などよりも粘度が高く、ブレークダウンまでに必要な時間も短いため、さっと茹で上がる”超もちもち麺”が期待できたのです。

結論から言うと、粘度が高すぎてそばを打つまでが大変なのと、茹で上がった麺に”コシ”が出過ぎたり”もちもち”しすぎてしまったため、お蔵入りとなってしまいました。

もしも試してみたい方は、二八そばに少しだけタピオカ粉を混ぜる程度で良いと思われます。

なお、出石城山ガーデンでは現在自家製粉は行っておらず、製粉されたそば粉を地元業者より仕入れて使用しております。

ただし、その日に職人が打った打ちたてのそばを、茹でたての状態で提供しておりますので、”さんたて”のうち”打ちたて”と”茹でたて”を守ってそばを提供しています。

出石そばの技法

丸打ち

丸打ち

現代、多くのそば屋さんでは、江戸流のそば打ち技法ー効率性と合理性に適った複数の麺棒を使用する角打ちが多いですが、出石そば屋では伝統的な丸打ちをする店舗が多いです。

出石城山ガーデンの職人は、以前は角打ちをしていましたが、現在は丸打ちでそばを打っています。

小間板の使用については店舗ごとに違います。

ただし、速さと正確さ(麺の細さ)を求めると小間板を使う方が合理的なので、各店毎の特徴を出すために使用する職人さんもいらっしゃいます。

そば打ち4

出石のそば打ちの技法は伝統的なスタイルを踏襲していおり、そばは温度変化に弱いため冷暗所に保管し、そばをのす(練り込む)際のつなぎにも小麦粉や水のみを使用し、熱湯は使わないという店舗が多いですね。

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